こんにちは、ファイナンシャルカレッジスタッフ藤岡陽一郎です。
今回は保険を最大限有効活用する方法についてお伝えしようと思います。
今を去る6年前、東日本大震災が発生し、多くの家が被災しました。
小職の知人の家も損害を受けたものの、
幸い地震保険のおかげで、保険金で無事に修繕できました。
不幸中の幸いと言えましょう。
地震保険は年間の保険料が数万円~と高いです。
が、家が壊れたら修繕費はもっと高くつきます。
家を買われるなら、是非加入をお勧めします。
但し、地震保険に限らず、加入した「だけ」で安心してはいけません。
なぜなら、支給要件を満たした「いざという時」が来ても、
自動的にお金を貰えるわけではないからです。
この記事はざっくりいうと....
保険を無駄にしないために、考えたい出口の事
入ったら終わりではなく、保険金を貰うまでが保険です!
保険加入に当たり、「保険金を安く済ませる事」も重要ですが、
加入だけして後は内容を忘れる…ではいけません。
掛捨てだろうが貯蓄だろうが、生命保険だろうが損害保険だろうが、
そして国内系だろうが外資系だろうが、
保険も立派な資産運用です。
資産運用において、真実重要なる物、それは出口です。
そして、保険の出口とは、「「いざという時」に、保険金を貰う事」です。
「いざという時」に対応できるよう、準備が必要です。
「いざという時」は、いつ来るか分からない
この指を抜いてから3秒後にてめえは死ぬ
(北斗の拳 第2話より引用)
ケン○ロウなら親切にも予告してくれるでしょうが、
残念ながら、災害や事故はわざわざ予告などしてくれません(*1)。
「いざという時」はいつ来るか分からないのです。
3秒後かも知れませんし、もしかしたら100年後かも知れません。
勿論、来ないに越したことはありませんが…
いつ来るか分からないなら、いつ来ても対応可能でなくてはなりません。
そのためには保険を貰う手続きを知る必要があります。
そこで、次にそれを見て行きましょう。
(*1)…ちなみに天変地異の事を、英語で「Act of God」と言う。所詮神様の考える事は人間等にはわからないのである。それにしてもとんだ疫病神だ。
保険金を貰う手続きと注意点
「いざという時」に保険金を貰うには、所定の手続きを取ります。
詳細は保険会社ごとに異なるので問合せが必要ですが、
大まかな流れは、
請求→事実確認(査定)→支給となります。
請求:加入している保険が分からなければ請求もできない
「いざという時」になったら、まずはこちらから請求します。
保険会社側では個々の顧客の状況などいちいち把握してないので、
待っていても何も始まりません。
寝ている時も働いている時も、保険会社があなたの状況を常に見守ります!
要件を満たしたら何も言われなくても即座に察知し、対応します!先取の精神万歳!
小説「1984年」(*2)じゃあるまいに、そんなストーカー親切な保険会社は存在しません。
あるとしても、そのコスト分、保険料が高くなるのでお勧めしません。
さて、請求には、保険証券にある証券番号の情報が必要です。
それさえ言えば、後は向こうから必要な書類などを教えてくれます。
問題は、保険証券が見つからない場合、
またはそれ以前に、加入している保険自体が分からない場合です。
当然、その場合は請求のしようがありません。
あなたはご自身、ご家族の保険(保険金、支給要件、証券番号、請求先先)をご存知ですか?また、あなたのご家族も、それをご存知でしょうか?
もしNoなら…。
折角の保険に加入していても、
いざという時に請求が出来ず、保険金を貰えません。
勿論、その場合、支払った保険料は水泡に帰します。
加入している保険の保険証券はファイリング等して一か所にまとめ、
いざという時にすぐ参照できるようにしておきましょう。
(*2)…英国作家ジョージ・オーウェルによる、監視社会を題材とした小説。
事実確認(査定):ときめいてもいいけど、かたづけてはダメ!
保険の請求をすると、保険会社が事実の確認を行います。
これはいわゆる虚偽申告による、保険金詐欺を防ぐためです(*3)。
地震保険の場合、建物や家財の「壊れっぷり」が
保険金の支給要件に該当するか、専門の鑑定人が「査定」します。
査定は土地や建物の躯体のダメージから始まり、
「皿が何枚割れたか」という小さな損害まで対象となります。
しかし、もし鑑定人が来た前に部屋が綺麗に片づけられていたら、
正確な被害状況を判定できません。
最悪「大した事ない」とみなされ、保険が下りないかもしれません。
早く綺麗にしたい気持ちは分かりますが、
査定を受けるまでは、現状をそのままにしておきましょう。
どうしても片づける場合、せめて惨状の写真だけでも撮っておきましょう。
(*3)…査定の経費も保険料に上乗せされている。悪人の尻拭いのようで癪だが、保険金詐欺が横行して保険会社が倒産するよりはマシなので、致し方ない…のかも知れない。
支給:納得いかなきゃ相談もできるけど、しないで済む方が良い
地震保険の場合、損害状況は「全壊」「半壊」「一部損壊」の区分で判定され、それに応じた保険料が支払われます。
1.全壊:保険金の100%支給
2.半壊:保険金の50%支給
3.一部損壊:時価の5%支給
参考:地震保険の全損・半損・一部損(全壊・半壊・一部損壊)とは
地震保険の保険金は数百万~数千万単位となりうるので、
区分が1個でも違えば、支給金額に天地の差が出ます。
万一、査定結果に納得がいかない場合、再度保険会社と交渉するか、
最悪それ用の窓口に相談するという手もありますが、
時間と労力がかかります。
ここに相談せずに済むよう、準備できることはしておきたいですね。