パッパラパッパッパー パッパラパッパッパー (ラッパ音
こんにちわ。私がファイナンシャルカレッジの清水軍曹です。
最近気になるニュース記事を発見しました。
バングラデシュで展開し、ノーベル平和賞も受賞したグラミン銀行が、日本に登場するというのです。
グラミン銀行とは?
グラミン銀行とは、バングラデシュで展開しているマイクロファイナンスです。
貧困者に対して、低金利・無担保でお金を融資します。
一般的な銀行から融資を受けるには、土地など資産を担保にする必要があります。
しかし、グラミン銀行は無担保でも融資を受けることができます。
そのかわり融資を受けるには、同一地域から5人のグループをつくり「連帯責任」を負う必要があります。
もし融資を受けて失踪すると、他の「連帯責任」を負っているメンバーは、融資を受けられなくなるため、借金を返さざる負えない状況になります。
この仕組みによって、返済率は9割を超えているそうです。
無担保ローンと言えば、私の世代は消費者金融を思い出させます。
彼らはいまや堂々と銀行の看板を付けて、最大金利18%で貸し出しています。
グラミン銀行の金利は何%か分かりませんが、銀行カードローンより少ない金利であることを期待しています。
なぜ日本に?増える相対的貧困率
そんな途上国の銀行がなぜ日本に?と思うところでしょう。
日本は先進国で豊かな国のはずだからです。
しかし実は日本の相対的貧困率はかなり高いのです。
相対的貧困率とは
ある国や地域の大多数よりも貧しい相対的貧困者の全人口に占める比率
[補説]OECD(経済協力開発機構)では、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。
つまり「周りより生活が苦しい人はどれくらいか」という割合です。
この値が高いほど、格差を感じている人が多い、希望を持てなくなった人が多いということを意味します。
日本の相対的貧困率は 15.6% です。
これはOECD加盟国でもかなりの下位になります。
こうした現状から、グラミン銀行は日本への進出を考えたのかもしれません。
捕捉:あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら
今の日本の現状を、100人の村で考えてみる本です。
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ファイナンシャルカレッジに入会するともらえる一冊となっています。
その中から一部抜粋
・この村の子どもの約16%が貧困層に分類されます
・100人の村人のうち50人以上が「生活が苦しい」と嘆いています
・まったく貯金ができない家が、村全体でみれば、1/3 もいます
・保険に入っている家の 1/5 が保険料すら払えない状態です
・この村では自殺する人が後をたちません。その数は世界で5番目です
新たなセーフティネットとしての役割に期待!!
統計でみる日本の現状はオサムイ限りですが、これが現実です。
現在貧困層対策として、生活保護費の支給があります。
総務省の統計によると、生活保護費は増加傾向にあるようです。
これが財政を圧迫し、ひいては国民の負担増にもなっています。
グラミン銀行のすごさは、ビジネスとして成立しているところです。
もともと、バングラデシュでは先進国からの寄付や援助はありました。
しかしそれに頼っていると自立心が育たず、施しを受ける立場に甘んじてしまうという問題がありました。
そこで借り手にも一定の義務と責任を負わせ、自立させる意欲を育む狙いもあり、現在のかたちとなっています。
その流れから考えるに、ただただ税金を垂れ流してしまう生活保護制度は、果たして受給者にとって有益なのかという問題が見えてきます。
「生活保護を受ける状態になっても、すぐに自ら稼ぐ力をつけ社会復帰を果たす」
グラミン銀行には、新たなセーフティネットとしての役割に期待しています。