パッパラパッパッパー パッパラパッパッパー(ラッパ音
こんにちわ。私がファイナンシャルカレッジの清水軍曹です。
最近ネット広告に関する記事を書いてきましたが、
サービスはタダなのになぜ儲かる!?Googleが何で儲けてるのか調べてみた。
今日はアナログな新聞広告の話です。
新聞と言えば自らを「社会の公器」と自称し、政治家・企業の不祥事を追及する立場をとっています。
もし赤信号の横断歩道を渡っている人に「信号が青になってから渡れ!」と言われれば、腹が立つでしょう。
そんなやつには「お前が言うな!」と言いたくなります。
当然高い倫理感と自制心を持った聖人君子であることを求められます。
この記事はざっくりいうと....
桁違いの新聞発行部数
日本の新聞の特徴は、世界に類のない発行部数です。
主要全国紙の発行部数(2017年前期・ABC協会)
読売新聞 … 883.0万部
朝日新聞 … 625.9万部
毎日新聞 … 301.7万部
日経新聞 … 271.8万部
産経新聞 … 155.5万部
新聞離れが叫ばれて久しいですが、とてつもない数です。
これに対して海外の主要な新聞の発行部数です。
タイムズ・オブ・インディア(インド) … 331万部
参考消息(中国) … 307万部
ビルト(ドイツ) … 275万部
ウォール・ストリート・ジャーナル(アメリカ) … 208万部
ニューヨーク・タイムズ(アメリカ) … 103万部
ワシントンポスト(アメリカ) … 54万部
日本が異常な発行部数だということは一目瞭然です。
理由は識字率の高さとも、優れた配達システムのためとも言われています。
日本ABC協会とは
この発行部数は「一般財団法人 日本ABC協会」が集計しています。
リンク先によると
「合理的なマーケティング・広告活動には、正確な部数の確認が欠かせません。
ABCは、第三者機関として新聞・雑誌の部数を公査し、発表しています。」
とあります。
新聞に広告を載せるための広告料は発行部数をもとに計算されるため、正確である必要があります。
そのため、発行社と広告会社と広告主を仲介するかたちで公正な評価を行っています。
「新聞広告ナビ」というサイトには新聞広告の料金が記載されています。
発行部数がいかに広告料に影響を与えるか読み取れるでしょう。
新聞広告のしくみ
新聞を手に取ると、各所に広告が記載されていることが分かります。
この場所に広告主は広告料を払い、新聞に広告を載せることになります。
先ほどの「新聞広告ナビ」を見ていると、何十万円~何千万円の広告料がかかることが分かります。
とてつもない額に見えますが、何百万人が目にする広告なので、これだけの額になるのです。
発行部数を水増しする「押し紙」
日本の新聞社の発行部数がとてつもない数だといいましたが、ウソです。
なんと、新聞紙の3割が読者の手元に届かず廃棄させられているのです。
新聞紙が読者に届くまでの流れを確認しましょう。
新聞紙が発行した新聞紙は、地域の販売店に届きます。
販売店は毎朝、読者のいる家庭に新聞紙を配ります。
しかし、新聞社が販売店に新聞紙を送る際、実際の読者数より多くの数を送っています。
これを販売店が新聞社に「押し付けられた新聞紙」なので「押し紙」と呼ばれています。
(注:産経新聞は2008年に押し紙をやめています)
売れない新聞は廃品回収へ
読者数より多い新聞紙を押し付けられた販売店は困ります。
売れない新聞紙代は販売店が負担することになるからです。
新聞社も多く送っているのは知っているので、補助金を付けます。
これで新聞社と販売店はニッコリ。
余った新聞紙は廃品回収へ送られます。
Youtubeには販売店の前に停車しているトラックに、配達前の新聞紙を載せている動画が存在します。
また流れついた新聞紙の一部は、Amazonでペット用トイレシートとして5kg950円で売り出されているようです。
「新古・未使用」と表記があるあたり、押し紙と思われます。
新聞紙 (新古・未使用)お試し5kg ペット トイレシート
騙されている広告主
新聞社も販売店もニッコリですが、広告主は騙されています。
新聞社「弊社新聞は600万人が読んでいます!そのため広告料はこの価格です!」
広告主「600万人はすごい!この価格には納得だ!」
しかし実際は400万人しか目にしません。
広告主は詐欺にあっているわけです。
発行部数はABC協会が公査していると、すでに述べていますが、
ABC協会が発表している部数は、新聞社から販売店へ送った新聞紙の数です。
販売店から読者へ届く部数ではありません。
またABC協会は販売店への抜き打ち検査を行っています。
しかし新聞社はなぜかそれを知っており、販売店へ検査前に帳簿を改竄するよう命令を出します。
なぜ事前にわかるのか?
それはABC協会の役員に、新聞社関係者がずらりと並んでいることが関係しているのかもしれません。
そうして広告主は嘘の数字を信じて、広告効果の薄い高額な広告費を払うのでした。
数字で見る広告費の実態 (例:朝日新聞)
朝日新聞の昨年の広告収入は1500億円だそうです。
3割が押し紙なので、
1500億円 × 0.7 = 1050億円
1050億円が妥当なところでしょう。
となると、
1500億円 – 1050億円 = 450億円
450億円を詐欺で稼いでいるわけです。
とてつもない詐欺集団です。
産経新聞以外の新聞社も押し紙を行っているので、
「押し紙詐欺被害額」は毎年1000億円はくだらないと考えられます。
公正取引委員会が「口頭注意」
押し紙は独占禁止法で禁止されているにも関わらず、古くからの慣習として行われてきました。
しかし2016年に公正取引委員会委員長より「口頭注意」がなされました。
それ以来何も音沙汰なしですが・・
マスコミを信望することなかれ
マスコミは「公器」「公正」「中立」ではありません。
彼らも人の子です。
また株式会社なので、利益を追求する必要があります。
そんなわけでマスコミとは一歩引いて見てみましょう。
「なぜ今、これを報道するのだろう」ぐらいのスタンスがベストだと思います。
おまけ:内部告発
2017年1月下旬に事件は起きた。
「大阪本社販売局」名で、朝日の押し紙を告発し、
渡辺雅隆社長と小林剛東京本社販売局担当取締役の国会証人喚問を要求、
押し紙を立法で規制すべきだとする文章が、社内資料を添付して、
衆参両院予算委員会メンバー等に送付された。
波紋の広がりに慌てた渡辺社長は、
以降「森友・加計」の事件か報道に突き進んでいったと解説する社員もいる・・・
(月刊テーミス10月号より)