インタビュー第4回目は「秋田 護」さん。
さて、前回の藤岡さんからの紹介で今回インタビューを受けてくださるのは、秋田護さん。
何と秋田さん、「国際医療協力・海外医療ボランティア医師団 | ジャパンハート」に参加し、海外でも活躍する現役のお医者さん。
そういう方がなぜファイナンシャルカレッジに参加されたのか。
そして「お金」についてどう考えているのか。
その問いの答えには「好奇心」というキーワードが浮かび上がってきたのです。
ーー
中川:では、よろしくお願いします。
秋田:はい、お願いします。
中川:今日のゲストは秋田護さんです。
秋田:よろしくお願いします。
中川:今回秋田さんを紹介してくれたのは藤岡陽一郎さんなんですけど、彼に一言ありますか?
秋田:紹介ありがとう。色々頑張ってください。幸せを願っております。
【教科書的な知識だけを持っていた】
中川:さっそくはじめていきたいんですけど、秋田さんにとって、行動を変えたセミナーって何かある?
秋田:行動変えた?
中川:実際に行動を変えた、よし実践してみようって。行動に移した教えっていうのかな。
秋田:なんだろうな。セミナーの内容もどうこうあるんだけど。ガチめで話すと、俺もともとファイナンシャルプランナーを持っていたりしたから、ベーシックな知識とかはある程度あったっちゃあったし。
投資とかも5~6年前からやっていたから。このセミナーでこうっていうよりは、北田さんから全体的に色々教えてもらうことで、何か変ったかなって。
中川:具体的な考え方というか概念というか、もっと本質的な部分はあるかな?
秋田:機会費用の考え方とかサンクコストの話とか、あの辺はすごい自分の中で落ちた感じはしたかな。
機会費用って考え方というか言葉は分かっていたけど、あんまり現実的に感じてはいなかったかな。サンクコストはあまり知らなかった。
中川:そうだね、名前は知っていたけど実践ベースに落とし込むことはなかった感じ?そういう学びがあった訳だ。
秋田:学びはありましたよ。
中川:なるほど。実際ファイナンシャルカレッジに来るようになったきっかけはなんだったの?
秋田:もともと自宅で開いていたホームパーティーに北田さんがぽんっと来て。
中川:ぽんと来て!
秋田:で、話しをしていて。
でも時間なくて北田さん、30分しかその日いられなかったの。
30分だけだったけど話して、「なんかすごい面白い人だな」ってそれ土曜日の夜で。明日もセミナーあるんでよかったらっていう感じだったから、じゃあ行きますみたいな。
中川:へええ、すごい。
秋田:それが初めて。
中川:めっちゃ行動的だね。
秋田:ふふふふふ。
中川:どんだけ怪しい大阪人だったのよ。それで自分の中で何かあったんでしょうね。
秋田:そうだね。
中川:それで実際、体験会に参加してみたと。
秋田:そうですね。
自分にない知識をいっぱい持っているのが分かったし、それをこう、分かりやすく面白おかしく話してくれたから。話上手じゃない?
中川:うんうん。
秋田:すげえ面白いと思って、すごいなあみたいな。
中川:確かにインパクトはあるからね。
秋田:自分の中では、「教科書的な知識だけ」があったんだよね。
中川:自分の中で使えてないなみたいな?
秋田:うん。
中川:確かに教科書的な知識レベルだったら、たぶん俺も色んな事いっぱい持ってて、それを実践に生かせるかどうかはまた別のところだからね。
北田さんの言葉って、なんでうちらに刺さるかって自分の言葉だからなんだよね。
秋田:うんうん。
中川:自分が何かしら経験して、実践して、やっていないとうまれてこない言葉だから。その辺が刺さったていうのはあるでしょうね。
秋田:確かに。
中川:それを自分で実践してみたいな。秋田さんも結構人前に立つことあるもんね?
秋田:北田さんほどじゃないけど、ちょっとね。
中川: ファイナンシャルカレッジでもセミナー何回か登壇したでしょ?2回か3回。
秋田:3回くらいかな。
中川:どうでした?後の反応は?結構募金なんかも集まったよね。
秋田:2回やって両方とも9万円弱かな。
中川:おおー2回とも?
秋田:2回とも。ちょうど同額くらい。それはもうね、大変ありがたく。
中川:それも秋田さんがファイナンシャルカレッジで学んだことを踏まえてみんなの心に訴求したからだと思います。
秋田:そうだといいですね。
【アウトプットで人をつなぐ連鎖が起きる】
中川:セミナー受けて、その後自分がどう変わったかとかある?
秋田:知識とかに対してよりこう、貪欲になったというか。
それまでの教科書的な知識だけだと、実践できないから。
知識入れた割にあまり変わらないなみたいな。全体的な、見え方は視界は良くなった。
中川:机の上の勉強をずっとしていた感じかな。
秋田:うん。机上の知識が、実際に使えるなって分かった。よくアウトプットの大事さを北田さん言うじゃない。
もともとする方ではあったけど、それはより意識してめちゃくちゃアウトプットするようになったかもしれない。
北田さんがファイナンシャルカレッジで話してくれることとか。先程のサンクコストとかもそうだし、考え的なこととか。
中川:こんなこと聞いたよ、あんなこと聞いたよとか?
秋田:うん。話しているうちに分かってくるし、実際ちゃんと理解できていないなっていうことも気づくから。
中川:それ多いよね。
秋田:うんうんうん。コミュニティを作る感じになってくるわけだからね。
やっぱり知識を自分の中だけで留めておくっていうのはもったいないからね。知識、知恵なんでもいいけど。一人でできることは本当限られているしね。
中川:それはほんとそうだね。
秋田:とりあえず仲間を集めることは非常に重要だよね。
中川:実際にジャパンハートでカンボジアとラオスに行ってみて、チームワークとか仲間っていうのは感じたところあったんじゃない?
秋田:そうだね。1年2か月位行ってたけど、単純に楽しかったっていう。
海外で生活をするのは初めてだったから、長い間。
中川:初めてだったんだ!?
秋田:長期はね、1週間とか2週間とはあったけど。実際に住んだのはその時が初めてだった。
単純に楽しい面はあったし、海外で実際に医療をやるっていうと新しい経験がいっぱいあるから、それ自体が楽しいっていうことはもちろんあったし。必要とされる感も強いからね。
同時になんだろう、めちゃくちゃできないこともあったり、できないからこそ気付くもあったし。日本にいたら気づかないようなこととかいっぱいあった。
中川:なるほど。
医療の技術と設備とかって、日本に比べると劣っているというか。
俺の勝手なイメージで野戦病院くらいの設備だったりするのかなって。屋外で手術するとか、どこかにイメージはあって。設備や医療者の技術はどうたっだ?
秋田:ピンきりだけど。首都の中の1番大きな病院とかになってくると、海外留学者とかもいて、それなりにちゃんとしている人がいる。
医療技術とか知識もそうだし、英語しゃべれてフランス語喋れてとかみたいな。
ラオスでもトップの病院は、全員フランス語話せたから。
中川:おおーまじか。
秋田:そういうのもあるけど、でも本当にごく一部だけだし。
設備とかっていうと日本に比べれば貧弱な部分はあるし。
あとは社会保障とかお金の話、教育、インフラとかの話になっちゃうけど。結局そういうのがあった上に医学があって医療って成り立っているなって強く感じたから。
中川:そうだよね。しっかりそうやって教育水準とかなくちゃそもそも育たない。
そういう芽というか、新しい芽がね。そういったところでお金は大切なんだなってところですね。
秋田:そうですね。
中川:結構地方の方の病院?質素なところに行った?
秋田:行った。むしろそっちがメイン。そもそも病院って名前になっているけど、ただの小屋みたいな。
中川:そうなんだ?!
秋田:水道しかない。
中川:その水道だってまあまあ厳しいでしょ?
秋田:まあまあ厳しいね。
中川:そこでも手術したの?
秋田:さすがにそこではしなかったね。そういうちっちゃなヘルスセンターみたいながいっぱい点在していて。
その中心に一応病院みたいなのがあるにはある。そこに集めて手術をしたりとか。
中川:向こうにはちゃんとジャパンハート行く前にも、医療と言われるお医者さんだったりいたんでしょ?
秋田:今はさすがにいなことはないけど、まだいわゆる伝統療法師みたいなシャーマンみたいなのは残っているから。
中川:へええ。
秋田:それを信じて、それにすべて任せる人もまだいるし。
中川:うちらカンボジアって後進国ってイメージがあったんだけど、実際そうでもないんだよね。
日本でもみないタワーマンションなんかあって、近代の波が来ているんだなって思う反面、そういうところもあったりするんだね。
秋田:そうだね、プノンペンは違うけど。
特にカンボジアはクルクメールって呼ばれているそういう伝統療法師シャーマンみたいな人、医者兼牧師さん兼村長兼…。結婚式もやるし、医療もやるし、村長だしみたいな。
中川:どんだけ兼業しているんだ!
秋田:すべてそういった祭事的なのものを取り仕切る的なような人とか。
中川:シャーマンってそういうイメージがあるな。祭事事が神に遣えるじゃないけどね。
秋田:それが今でも一つの村に最低1人はいるの。
ただ「ポルポト政権」の時にそういう人たちも殺されちゃっているから。
その人たちが持っているハーブの知識とか染物とかの知識とかはそういうのは復興させよう動きとかあって。
中川:ハーブの知識はもろ医療につながるものでしょ?
秋田:そうそう。それこそ昔の伝統医療みたいな。
中川:そういうのは奪われちゃったんだね。
秋田:そうだね。300万人殺されているからね。
中川:博識人から殺されていった訳だからね。むちゃくちゃだよね。
秋田:3~40年位前だからね。
【働いて得られるものに色々な価値がある】
中川:そんなに過去じゃないもんね。ファイナンシャルカレッジからは離れてはみたけど、これは秋田さんならではのインタビューだし。
実際、人生どう変わったかっていう、ジャパンハートに志願するきっかけは?
秋田:一番最初は全然興味なかったんだけど、海外医療に。
セミナーでもちょろっと話したけど、映画かな。
中川:映画?
秋田:「僕たちは世界を変えることができない」っていう映画で、向井理が主演でやったやつ。
あれを見て、カンボジアこんなかと思って。
今まであんまりそういうのって、海外のそういったことに目を向けてきてなかったんだよね。
で、ちょっと興味が出てきて。もう5年前かな、夏休みを利用してミャンマーにボランティアに行って、それがきっかけかな。
中川:へええー。その5年前には何かしらの熱いハートがあったんだね。
秋田:うーん、その時には熱いハートという感じよりは、好奇心だね。
中川:へえ。好奇心で会社辞めて、1年以上も長い期間行って、その間の生活費もろもろ全部自分持ちでしょ?
秋田:そう。
中川:好奇心が本当にすごい人じゃないと、絶対に行けないと思うんだけどね。
秋田:うん
中川:きっかけって何かあったの?
秋田:うーん、それは特に俺の中では大きく切り替わったとは思っていないんだけど。働いて得られるものって、色々な価値があるんだと思う。
例えばだけど、学校とかってお金払いながら行っているじゃん。
中川:そうだね。
秋田:で、色々な作業もさせらたりして。
で、そこで得られる知識や何に価値があると感じているから、お金を払って時間を投じても行っているわけで。
ただボランティアってお金はもらえないけど、そこで生活した経験とか人脈だったり色々な価値とか。
そのお金ではない資産として、価値として、得られているっていうふうに思っていたから。
中川:うんうん。
秋田:だからあんまりそこに抵抗感はなかったかな。
中川:ほー。じゃあ自分の学びとか自分の成長のためってこともあって。へええ。聖心君子のような話、でもないけどね。
秋田:そうでもないのよ。
中川:そうだよね、自分のためにっていう、それはあってもいいと思うけどね。自分が面白いと思える気持ちがあってこその。
秋田:それがなくちゃね、ボランティアにきているやつはすぐ帰る。
中川:あー
。
秋田:うん。誰かのため、なんてことで来ているやつらは。
中川:薄っぺらい?
秋田:薄っぺらいし、やらされてる感がでてくるから。
ただで来てあげているのに、こんなことまでやらされるみたいな。になってきてホントすぐに帰っちゃたりするから。
中川:そうなんだ。
秋田:そう。長く残っている奴らは自分のためにっていう意識がある。
中川:自分の中に確たる芯っていうものがある。
秋田:うん。
【実践していない知識は弱い。ただの知識だから】
中川:おお。これはいい話きけたね。うん、なるほど。それはホントにいいね。
じゃあですね、またファイナンシャルカレッジに戻って自分なりに色々なことを学んだことがあったと思うけど。
何か今、行動はいろいろ変わっていると思うんだけど。自分なりにアレンジした教えある?
秋田:アレンジした教え?
中川:教えがあって知った、教えてもらって、実際の生活に生かしているなみたいな。
秋田:たぶん色々なものを活かして使っているんだけど。
日々アウトプットしてく中で、自然にアレンジされて、自然に自分のものになっていくじゃない?
中川:そうね。
秋田:だからどれをどうアレンジして、今どう使っているかとか言われても、もうだいぶ自分のものという感覚になっているから。
だからすぐに「ぱっ」ていうのは、なかなかね。
さっき言った機会費用にしてもサンクコストにしてもそうだし、お金の使い方の話だったり。
あとはお金の価値が同じだと思っていることとか
中川:ただ貯金しているだけではだめですよみたいな。
秋田:そうそう。
物価上昇の話とかあったじゃない。
あれも知識としては分かっていたけど。
でも例えば100万円が10年後に150万円になっていたとしたら、それは単純に得なのかっていう風に思っちゃっていたというか。
どっちの知識も物価上昇率のこととか分かってたんだけど、いまいちちゃんとリンクしていなかったなって。
中川:あー。
秋田:そういうのが色々教科書で学んだだけで、実践していない知識って弱い、ただの知識だから。
中川:薄っぺらいよね。
秋田:それが色々なところで体系的に結びついて。
で、それが自分自身の中でちゃんとある程度の形になってきているかな。
また何年後かの自分からみたら薄っぺらいなと思うかもしれないけど。
個別に北田さんに相談してみたいな話もあるけど。
色々そういうことから体系的に整理されたものはあるし。
中川:うん。
秋田:ただここのコミュニティーに入ったからっていうもところもあると思う。
中川:あー。
秋田:それこそスピリタスの人に知り合ったこともあるし。
もちろん中川さん、戸田君とかもそうだし。
ここからまたいろいろ知り合った人との関わりの中で、学ぶこととかもね。
中川:そうだね、コミュニティーっていうのはすごく大きな存在だよね。
まさに紙ベースでの知識が実践を通して立体的になったんだね。
秋田:いいまとめですね。
【もっとも自分が使っている道具を勉強すること】
中川:はい。最後になるんですけど、このセミナーを今後ね、受けていく、受けるだろうっていう人たちに一言なにかありましたら。
秋田:うーん、お金のことってなかなか勉強しにくいし、勉強しようと思わないかもしれないし。
みんなの中でお金はお金で、なんだろう。
よくないイメージを持っている人もいるかもしれないし。
中川:それはあるね。
秋田:うん、海外でいろいろやってきた経験とかからすると、やっぱりそれがそのまま健康や命に直結することもあるし。
中川:あーそうだよね。
秋田:さっき仕事でお金を得られないけど、他の物を得られるって話したけど。
価値ってね、それぞれ交換可能なわけで。
お金があることによって健康とか命が守れることがあるし。
時間を買うこともできる場合もあるだろうし。お金より大切な何かとね、交換するこができる場合もあるから。なんで単純にお金がどうこうだけじゃなく、もちろんそこにもね、一番人間がよく使う道具の一つだと思うし。
中川:うん。
秋田:勉強する必要はあると思うんだけど。
中川:確かにそうだよね。
秋田:お金の勉強会だからちょっとあやしいみたいな風に短絡的に思わずに、行動して知ってみて、しっかり勉強したうえで、怪しいと根拠もって言えるんであれば、それははじけば構わないと思うけど。
中川:来ないのはもったいないよね。
秋田:そうそう。
もっとも自分が使っている道具だからね、怪しいも何も勉強したら、何か変わるんじゃないかと僕は思いますけどね。
中川:一番触れているツールなはずなのにね、それが何かも分かっていないっていうのは怖いよね。
なるほどね、命の現場に一番触れている医者、職業ってね、お金ってリンクするってすごくいいなと。お金=命に代えられてしまう。よくも悪くね。
秋田:ラオス、カンボジアだったらお金がないって理由で、医療が受けられないから、家に帰ってそこで死にますって選ぶ人はいくらでもいましたからね。
中川:ええええー。それは家で死なせてくれってこと?
秋田:そうではなくて、死んでから家や村に入れないっていう村がいっぱいあるの。
中川:そうなんだ。
秋田:死んでいる者はけがれだから、外で死んだら入れられない、村には入れない。
中川:うわー重いねえ
秋田:だから死ぬ前に村に入らなきゃいけないっていうのもあったりするから。
だからお金がなくて治療ができないであれば、早く村に帰りますみたいな。
中川:生きているうちに?
秋田:そう。
中川:重いね。お金があれば、それがね、そのあとの人生も何かできただろうに…。
先進国に生きる我々こそね、お金っていうのを学んでほしいよね。
秋田:そうだね。
中川:そういうのがあって初めてね、後進国の人たちにも命、お金っていうものも知るきっかけにつながっていただければと思うところですかね。
じゃあこれから来る人たちには、「お金は学んだ方がいい」
ということを伝えたいということですかね。
秋田:そうだね。まずは怪しいって決める前に、学ぶ前に何の根拠もなくはじくのではなく、ちょっと学んでみてほしいなと思います。
中川:はい、わかりました。今日はどうもありがとうございました!
秋田:はいこちらこそ!
中川:で、ですね、リレー形式のインタビューなので次のインタビュアーを秋田さんの方から、誰かご指名をお願いしたいなと
秋田:ほう。でしたら、木村奈津子さん。彼女は面白いよ。
木村奈津子さんは俺が紹介してきたんだけど、実際にどう感じたのか聞いてみたいしね。医者以外の活動もしているし、いろいろなことを考えているから。
普通の医者じゃない。
面白い話がきけるかな。
中川:アクティブ?
秋田:「意外と」アクティブかな。ひょうひょうとホワンとしている部分もあるから。考えてちゃんと前に進んでいる感じはあるかな。楽しみ!